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呼吸器外科は、呼吸器内科、放射線科、病理科、リハビリテーション科などと連携を図り呼吸器疾患治療を行っています。
肺がん、自然気胸、縦隔腫瘍、良性腫瘍、胸壁腫瘍、胸部外傷など胸部疾患全般にわたる手術、治療を行っています。主に肺がんに対する手術を多く行っており、肺がんの状態に応じた最適な治療を、体への負担が軽くなるように傷を小さくし、かつ少なくする単孔式胸腔鏡手術を積極的にとりいれております。
 

肺の構造

右肺は3つの肺葉で、上葉、中葉、下葉に分かれます。
左肺は2つの肺葉で、上葉、下葉に分かれます。
 

肺がんの手術

がん病巣の切除+リンパ節廓清

基本的な手術は、がんのある肺葉を切除することと、がん細胞の通り道であるリンパ節を切除(リンパ節廓清)することです。

ただ、肺がんの悪性度が低い場合や、肺機能が悪い場合は、区域切除や部分切除といった、肺の切除量を少なくする縮小手術を行うことがあります。 

 

手術の実際

①開胸手術(8cm-15cm程度の切開)

肺を切除するためには胸を切開する必要があります。
 

②胸腔鏡手術

肺がんの大きさや肺、胸腔内の状況(肺気腫や間質性肺炎、胸腔内の癒着の有無など)で開胸手術で行う場合や胸腔鏡手術で行う場合があります。

2019年7月より単孔式胸腔鏡手術を取り入れ、最善の方法で手術を行うよう心がけています。
2019年度の原発性肺がんの術後入院期間は、3-137日(平均値8.9日 , 中央値7日)
 

気胸について

肺にできた風船(ブラやブレブ)が破れて、空気が胸腔内に漏れて肺がしぼんでしまう疾患です。若い(20歳代以下)痩せ型の男性に起こることが多いですが(原発性気胸)、肺気腫などに合併する高齢者に発生する気胸(続発性気胸)もあります。また稀ですが、月経随伴性気胸など女性特有の気胸もあります。

気胸になった場合の治療は、しぼんだ肺を膨らませるために胸腔内にチューブを挿入し、溜まった空気を取り除くことです(胸腔ドレナージ)。空気漏れが止まらない場合や繰り返す場合は手術を行います。手術は胸腔鏡下(上述の単孔式や多孔式)でブラやブレブを切除もしくは焼灼し、シートで補強します。

2019年度の気胸の術後入院期間は、3-28日(平均値5.9日 , 中央値4日)で、20歳代以下の原発性気胸は、3-4日(平均値3.2日 , 中央値3日)でした。
 

縦隔腫瘍について

腫瘍の大きさや発生部位により創の切開が異なります。
正中にある場合や近接臓器に浸潤が疑われる場合は、胸骨正中切開(胸の真中を切開し胸骨を縦切開する)で腫瘍切除を行います。また5cm以下で周囲への浸潤がない腫瘍に対しては、胸骨を切開しない剣状突起下二孔式胸腔鏡手術(創部は心窩部と胸部の2か所)も行っています。
 

呼吸器外科手術件数(過去5年間)

 

  2015 2016 2017

2018

2019
がん  93 94 128 130 127
原発性肺がん       117 115
転移性肺がん        13 12
良性腫瘍 14 14 10 9 2
気胸 16 19 18 19 19
その他 32 35 22 14 19
合計 155 162 178 172 167